独創アプリ開発日記 252日目 C++によるマルチプラットフォーム対応のOpenGLコード第一歩 Windows編

先日作成したマルチプラットフォーム対応のOpenGLコードを、macLinux(Ubuntu 18.04 LTS)に続いて、Windowsで動作させます。

Windows7で試しました。

さすが、過去にLinuxを癌だと言っていた会社です。邪悪な独自仕様を進化させたそのOSは、マルチプラットフォーム対応コードの動作を阻む高い壁の名残があるようです。動作させるために面倒な準備が必要になりました。

まずMinGWCMakeMakeをインストールします。インストール後、PATHを適切に設定してください。

次に、glfwのソースを持ってきてビルドします。(バイナリ持ってきても動きませんでした)

CMakeでMinGW用のビルドファイルを生成し、makeコマンドを実行して、最終的に生成されるlibglfw3.aをMinGW\libフォルダの中にコピーします。また、ヘッダーファイルをMinGW\include\GLFWの中にコピーします。

さらに、glewのソースを持ってきてビルドします。(こちらもバイナリを持ってきても動きませんでした)

glfwと同様に、CMakeでMinGW用のビルドファイルを生成後、makeコマンドを実行して、最終的に生成されるlibglew32.aとlibglew32.dll.aをMinGW\libフォルダの中にコピーします。また、ヘッダーファイルをMinGW\include\GLの中にコピーします。更に、glew32.dllをパスの通っている場所にコピーしておきます。

尚、CMakeやMakeコマンドの実行時は、セキュリティソフトのリアルタイム保護を無効にしてください。

何故かウィルスと判断されて作業が失敗してしまいます。

うーん・・・

以上で準備完了です。目的のコードをコンパイルして実行しましょう。

g++ Program.cpp -lglfw3 -lglew32 -lgdi32 -lopengl32

やっと動きました。

え?Visual Studio?何それ?

独創アプリ開発日記 251日目 C++によるマルチプラットフォーム対応のOpenGLコード第一歩 Ubuntu編

Ubuntu 18.04 LTS で昨日のコードを動作させます。

まずは下準備です。

sudo apt-get install libglfw3-dev
sudo apt-get install libglew-dev

コンパイルしましょう。ソースコードは昨日と全く同じです。
IDE?CMake?なにそれ美味しいの?

g++ Program.cpp -lglfw -lGLEW -lGL

明日はセキュリティパッチと機能追加パッチとテレメトリパッチをごっちゃにして提供してくる邪悪なWindowsでも動作確認を行なっていきます。

独創アプリ開発日記 250日目 C++によるマルチプラットフォーム対応のOpenGLコード第一歩

マルチプラットフォーム対応のOpenGLコードの第一歩です。

とりあえずmacでC++を使ってウィンドウを表示します。

各種OSで動作させるためにGLFWを利用します。GLFWはオープンソースのマルチプラットフォーム対応ライブラリで、Window表示やコンテキスト、入力イベントなどを扱えます。GLEWはOpenGL拡張を手軽に用いることができる便利ツールで、こちらも利用します。インストールしましょう。

brew install glfw
brew install glew

コードは以下の通りです。徹夜で書き上げました。解説?初めて利用するライブラリなので解説できるほどの知識は持っていません・・・

#include <iostream>
#include <GL/glew.h>
#include <GLFW/glfw3.h>

using namespace std;

int main() {
    // GLFW init
    if (glfwInit() == GL_FALSE) {
        cout << "failed to glfwInit" << endl;
        return 1;
    }
    atexit(glfwTerminate);
    
    // create window
    GLFWwindow *const window(glfwCreateWindow(1200, 720, "GameInsWindow", NULL, NULL));
    if (NULL == window) {
        cout << "failed to create window" << endl;
        return 1;
    }
    
    // OpenGL 4.1
    glfwWindowHint(GLFW_CONTEXT_VERSION_MAJOR, 4);
    glfwWindowHint(GLFW_CONTEXT_VERSION_MINOR, 1);

    // make context
    glfwMakeContextCurrent(window);
    glfwSwapInterval(1);
    
    // GLEW init
    if (GLEW_OK != glewInit()) {
        cout << "failed to glewInit" << endl;
        return -1;
    }

    // clear
    glClearColor(0.0f, 0.5f, 0.0f, 1.0f);
    
    while (glfwWindowShouldClose(window) == GL_FALSE) {
        glClear(GL_COLOR_BUFFER_BIT);
        glfwSwapBuffers(window);
        glfwPollEvents();
    }
    
    return 0;
}

コンパイルしましょう。IDE?CMake?なにそれ美味しいの?

g++ Program.cpp -lglfw -lglew -framework OpenGL

とりあえずmacで動作することを確認しました。

明日はLinux(Ubuntu)や、EdgeやCortanaの利用を強制してくる邪悪なWindowsでも動作確認を行なっていきます。

独創アプリ開発日記 247〜249日目 Steamにおける開発環境

私の今の目標は、Steamでマルチプラットフォーム対応のゲームを公開することです。

出来れば共通のソースコードで各種環境に対応させたいと考え、先日、.NET CoreとOpenTKを使って、Mac/Linux(Ubuntu)/Windowsの各種環境で動作するOpenGLの共通ソースを書きましたが、この方法ではダメなようです。書き上げてから判明しました。

Steamでゲームを公開する際、Linux(Ubuntu)やMacに関しては利用できるライブラリが決まっており、.NET Coreなどは使えません。多分。

結論としては、C++でOpenGLを利用する形で行けば大部分は大丈夫な気がしています。

DirectXは論外です。Windowsでしか動きません。スマホ/Mac/Linuxが対象外になってしまいます。

と言うわけで、直近での次の作業はC#で書き上げたソースをC++に変更することとしました。その際、C++からOpenGLを利用するためfreeglutを使います。GUIに関してOpenTK(GameWindowクラス)は使えないので、GLFWなども利用予定です。

独創アプリ開発日記 224〜246日目 環境に依存しない3D描画

遂に成し遂げました。

海外に武者修行へ1年間行った結果、Unityなどのツールを使わずに、共通のソースコードでMac,Ubuntu(Linux),Windowsの各種環境において3D図形を描画することに成功しました!Write once, run anywhere!

・・・いや、違いました。.NET Core上でOpenTKを使っただけでした。

以下が環境に依存せず動く3D描画PGです。

https://github.com/ukaapple/cubeTest-OpenTK/blob/master/CubeInsWindow.cs

立方体を100x100x100で、合計100万描画します。

TriangleStripで、かつ Instancing使っているので高効率です。メモリ12MB程度しか使わずに済んでいます。

TriangleStripに関しては、過去の日記で記述しています。こんな感じでテクスチャを貼るやり方のことです。

InstancingとはOpenGLの用語で、同じ形状を、位置情報だけいっぱい与えていろんな場所に描画することです。描画速度向上や使用メモリ量削減が期待できます。

一個

千個

百万個は実際にソースコードを動かして確認して下さい。UbuntuやMacではライブラリのインストールが必要です。README.mdを参照して下さい。

目が痛くなることを保証します。

ちなみにInstancingを使わないとメモリ使用量が340MBに跳ね上がります。以下が使わない場合のソースです。

https://github.com/ukaapple/cubeTest-OpenTK/blob/master/CubeWindow.cs

以下のコードで CubeInsWindow を CubeWindow に変更すると、Instancingを使わない描画に切り替えることが出来ます。

https://github.com/ukaapple/cubeTest-OpenTK/blob/master/Program.cs

また、コンストラクタ引数の100の部分を変更することで描画する立方体の数を変更することが出来ます。あまりに描画数を多くしすぎてマシンのメモリを使い果たさないように気を付けて下さい。

タイトルバーにfpsを表示するようにしてるので、OpenGLのベンチマーク目的でいろんな環境で実行するのも良いかもしれません。

.NET CoreでSystem.Drawingを使う Ubuntu編

Ubuntuにおいて、.NET CoreでSystem.Drawing配下のライブラリを扱う方法を記述します。
OpenTKにおいて、テクスチャなどを扱う際に必要です。

UbuntuでSystem.Drawing配下のライブラリ利用時に、以下のようなエラーが発生した場合の対処方法となります。

例外が発生しました: CLR/System.TypeInitializationException
An unhandled exception of type ‘System.TypeInitializationException’ occurred in System.Drawing.Common.dll: ‘The type initializer for ‘Gdip’ threw an exception.’
Inner exceptions found, see $exception in variables window for more details.
Innermost exception System.DllNotFoundException : Unable to load DLL ‘libgdiplus’: The specified module could not be found.


$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install libgdiplus

これだけ!
macに比べるととっても簡単です。

.NET CoreでSystem.Drawingを使う mac編

OS Xにおいて、.NET CoreでSystem.Drawing配下のライブラリを扱う方法を記述します。
OpenTKにおいて、テクスチャなどを扱う際に必要だったので・・・

まずは、X11をインストールします。ここからdmgをダウンロードしてインストールします。

インストール後はシンボリックリンクを貼っておきます。


ln -s /opt/X11/include/X11 /usr/local/include/X11

VSCodeを立ち上げ、Shift(⇧)+Command(⌘)+Pを押して “nuget” と打ちます。リストから「NuGet Package Manager: Add Package」を選択します。※NuGetインストール済みを想定

続いて “System.Drawing.Common” と打ってリターンキーを押下し、「System.Drawing.Common」を選択します。すると、インストール可能なバージョンリストが表示されるので選びます。特に理由がなければいちばん新しいバージョンを選びます。

次に、ターミナルからlibgdiplusをインストールします。事前に色々な依存ライブラリを入れてから、ソースを持ってきてメイク&インストールです。エラーやワーニングが出るかもしれません。柔軟に対応する必要があります。


$ brew install autoconf 
$ brew install pkg-config 
$ brew install readline 
$ brew install automake 
$ brew install gettext 
$ brew install glib 
$ brew install intltool 
$ brew install libtool 
$ brew install cairo
$ brew install jpeg
$ brew install libtiff
$ git clone https://github.com/mono/libgdiplus.git
$ cd libgdiplus
$ CPPFLAGS="-I/usr/local/opt/libpng12/include -I/opt/X11/include" LDFLAGS="-L/usr/local/opt/libpng12/lib -L/usr/X11/lib" ./autogen.sh
$ ./configure
$ make && make install